鮎川小学校は、近隣の西滝沢小学校、前郷小学校と共に平成16年3月に閉校となりました。
閉校後の鮎川小学校の保存利活用については、閉校に先立つ平成14年10月に「小学校跡地利用計画策定委員
会」により、「小学校跡地利 用計画策定に係わる答申書」が由利町(当時)に提出されました。
保存利活用の具体案については、平成16年3月の閉校直後から策定委員会の代表者と有志が由利町(当時:窓口は
振興課)と色々と意見交換を行い、平成18年4月から、具体的な行動の第一歩として、由利地区の方々を対象に
して由利総合支所(平成18年4月1日に由利町を 含む1市7町が由利本荘市と合併し、由利町は由利総合支所と
して所管の行政事務を旧由利町役場にて行うこととなりました。)の協力を得て、市から学校を無償で借りる形で音
楽室を使ってミニコンサートを開催しました。
その後も地域の皆さん、支所(市)、有志が協力しながら、ミニコンサートに講演会等を組み込んだ交流の会が継続
され、この催しを通じて学校の素晴らしさが徐々に周りの方々に再認識されてきました。これと並行して、あくまで
も地域の人たちが大切にしてきた学校である ことから、保存利活用の推進のための地域の受け皿作りも色々と検討
されました。
(旧)鮎川小学校は規模の大きな学校であるため、その保存費用もかさみ、市のまちつくり計画予算も市全体の優先順
位があり、より組織的にかつ具体的に学校の保存利活用を考える必要があるとの認識から、「鮎の風実行委員会」の
設立が具体的に検討されることになりました。
「鮎の風実行委員会」はこのような流れの中で、支所の応援も得て、(旧)鮎川小学校を守るために、地域住民や鮎川
小(中)学校の卒業生、それと民間有志を中心に平成20年7月に設立され、事務局は由利総合支所振興課の中におかれ
ました。
「鮎の風実行委員会」は引き続き地域の方々との絆である交流の会を継続すると共に、学校の美化作業も行いなが
ら、地域の方と一緒になって保存利活用の具体案を考え続け、支所の力も借りながら平成22年10月に総代会との連
名で、議会に対して学校早期整備の要望書を提出し、同年12月に採択を受けました。
こののち、市としては学校早期整備計画案を策定し、校舎の整備などに向けた検討を開始し、具体的には平成23年
度において校内消防設備等の整備を実施し、安心して学校が使えるようにしていただきました。
平成23年6月には教育委員会の尽力もあり、学校は国の登録有形文化財に認定され、さらに市として平成24年度に
体育館の耐震補強工事を実施していただき、将来に向けた学校の保存の基礎が固まりました。
これもひとえに関係する皆様の温かいご支援があったればこそと思っております。
今後もさらに多くの方々の協力も得て、この素晴らしい学校を守っていきたいと考えています。
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