これから家を建てる人のためのエクステリア入門
これから家を建てようという人にとってエクステリアというのは案外忘れられがちなことです。ハウスメーカーの中には建物の契約が済まないとエクステリアの話を持ち出さないところもあります。エクステリアの金額分が高くなって受注がむづかしくなるからです。また建て主にしてもエクステリアはピンとこない、内容のつかめないものだったりするのです。そのため計画が後手に回わるので予算的にも建物本体に使ってしまって、建物本体は立派なのに外からの外観はえらく貧相なことにもなってしまうのです。一生の買い物なのにこれでいいの?と思うケースもあります。でもエクステリアの計画は基本的な事柄になればなるほど素人が口を出す領域ではなくなってしまう宿命があります。それは基本となるレイアウトが建物の配置計画と連携しているからです。
エクステリアの設計をしていると、なんでこんな配置にしてしまったのかと感じられる建物の計画にたびたびめぐり合います。でも残念ながらエクステリアのプランナーが登場するのは建物の計画が大方決まってからで、配置を変更するなど問題外というケースがほとんどです。先日の大手ハウスメーカーの新聞広告でも”建築家とインテリアデザイナーで作る家”というキャッチフレーズがありました。ハウスメーカーですら外部は考えないということですね。そこで思うのはよりよい景観、住環境、外部生活空間、を作っていくためにはぜひともお施主さんにがんばってもらうしかない、ということです。
少々硬い話になりますが、まず基本的な建物の配置と外部のスペースがどのように関係してくるか見て見ましょう。
第一章 全体配置
日本の住宅計画では日当たりを考えて建物を敷地の北側に寄せて、南に庭となるオープンスペースをとるのが普通です。でも通常の都市部(都市計画地域)では、南の隣家の日照を守るためや、街路をオープンスペースとして維持するため建物にいくつかの高さ制限がかせられています。
規制は都市計画上の用途地域(住宅のための地域とか商業建築のための地域、工場のための地域などの別)により異なります。細かい規制をここで紹介するつもりはありませんが、都市計画として良好な住環境を維持したい地域ほどこれらの規制が厳しく、敷地ぎりぎりまで建物が建てられないようになっています。代表的なものとして、北側の隣家の日照を確保するための北側斜線と道路をオープンな空間として維持するための道路斜線があります。
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上の図は北側斜線規制の一例です。南側に広いオープンスペースをとりたいので建物を北側に寄せたいのですが、そのためには二階部分を一部カットしなくてはなりません。この場合広い室内空間をとるか広い南側オープンスペースをとるかは二律背反です。室内空間を取った場合は次の案として空いた北側の空間をカーポートにするとか、サービスヤードとして計画するとかの案がでてきます。
また道路側の規制としては道路斜線があります。前面道路の向かいの道路境界から一定の勾配で伸ばした斜線より高く建物を建てることが許されない規制ですが、道路をある程度オープンなスペースとして確保するのが目的です。
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上の例では道路と反対側に庭としてできるだけ広いスペースを確保するため建物を道路にできるだけ近づけたいのですが、そのためには建物の2階部分を一部カットしなくてはなりません。この場合も室内空間と外部空間はある意味二律背反です。でも道路斜線規制には緩和規定があります。
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上図左のケースのようにできるだけ建物を道路に寄せて、反対側に庭として広いスペースをとりたい場合、右の図のように建物と道路との距離をセットバックしていると見なし、道路がその寸法だけ広くなったように扱うことができるのです。この緩和規定、建物の配置上はありがたいのですが、この緩和を受けるには道路に沿って建てる塀の高さが1.2mを越えてることができません。その上部が目透かしのフェンスならばいいのですが、要するにエクステリアを道路に対しオープンな形で計画しなくてはならないのです。気分的にあまりにすけすけだと落ち着かないという人は、この適用を諦めるか、生垣をめぐらすなどの対策を検討しなくてはなりません。
どのケースにしても、建物の形が総二階のような計画ならば建物の配置そのものを境界から離さなければなりませんし、二階部分だけを後退させることができるならば建物の配置そのものは境界に近づけることができることになります。
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