「三番町萩原屋の美人11」発売記念サイン会
00/01/08 まんがの森新宿店
 



 まんがの森新宿店にて2000年01月08日14時より行われた西炯子のサイン会に行ってきました。
 これは、同店舗で1999年12月26日〜2000年01月08日まで行われていた「三番町萩原屋の美人11」発売記念イラスト展の最終日に、行われたものです。

 私がまんがの森新宿店を訪れたのは、14時から始まるサイン会の20分程前のことでした。
 とりあえず、店舗に入ってみると、幾人かサイン会に来ているらしい花束を持ったりした方々を見かけました。そのうち店員の方が、サイン会に来た方は店の外に並んで下さい、との声がしまして、数人がぞろぞろと狭い店舗内を通って外へと出ていきます。私もそれに続きました。
 店のすぐ外で、10人程が止まっていたので、そこにいたら、再び店員の方から向こうへ並んで下さい、との声が。

 まんがの森新宿店は甲州街道という大きな道の陸橋のすぐそばにあります。サイン会の参加者が並ぶことになったのは、この陸橋の歩道でした。
 確かにこれなら、店内に並ぶことなく、一般のお客さんもいる中で迷惑もほとんどかけません。
 ですが、もちろん全くサイン会に関係のない歩行者の好奇心の目にもさらされることになりまして……。ずらっと陸橋に並んだ150名の人の列というのは、さすがに目立つものです。
 暖かいことが多かった今年の冬の関東地方でしたが、この日は割合と風も冷たい日で、厚着をしてこなかった方は少し寒い思いをされたかもしれません。

 私が並んだのは整理番号のかなり前の方でした。自分のあたりかなと思う前後の方に番号をお聞きして、列に入りこみました。
 自分より前の方というのはまだあまり来ていらっしゃらなくて、最終的にも1桁代の方は全部で4、5人であったと思います。
 制服を着た学生、OL風の会社から抜けてきたような雰囲気の方、レザースーツを着た女性、そしてやはり少数派でしたが、ちらほらと男性の姿も見かけました。
 皆さんまんがの森のカバーのかかった単行本と、名前やアンケート等のあるハガキ大の整理券を手に手に持っていらっしゃいました。花束を持った方も、数人見かけました。
 当日単行本を買った方でもサイン会の整理券を貰って並んでいた方も何人かいたようです。
 ちらと見たところでは、期間中のみ発売されている西炯子同人誌「女王様ナナカ」の在庫も、まだ少しはあったようでした。
 1番前にいた女性は、案内してくれる店員さんが席をはずしている時は、後からきた参加者に何度か声をかけられ、その度にアナウンスしてくださっていたようです。

 14時10分前くらいになると、忙しく店と陸橋を行ったり来たりしていた店員さんが、前の方で打ち合わせを始めました。4階から指示がでたら、10人くらいずつローテーションで、との声。
 私は1番先頭の集団に属していましたが、後ろの方の方はこれからまだここで長く並んでいなければいけないようです。スペースの都合では仕方ないと思いましたが、雨が降っていなくて良かった、と天気に感謝しました。

 時計が14時をさすかささないか、という頃、前から10人が店員さんの先導に従って、店内へ入っていくことになりました。先頭集団でも前の方だったので、後ろならばもう少し長い間西先生の姿を拝見できたのに、と少し残念な思いも過ぎりました。
 4階まで一気に階段を上っていくので、これがかなり息がきれました。階段が原因でない緊張のせいもある心臓の音を聞きながら登って4階に着き、右へ曲がるとそこに西炯子先生がいらっしゃいました。

 第1印象は、「格好いい方」でした。
 短い髪をびしっとセットしていらっしゃって、シックな黒のスーツ姿でした。座っていらっしゃったので、机が邪魔でパンツスーツかスカートかはわかりませんでしたが、仕事をバリバリこなしている女性、というような、そんな雰囲気でした。
 自分も黒づくめの姿だったもので、色だけお揃いなどという思いが一瞬頭を過ぎりました。

 ぼけっと見つめていたら、左の壁に沿って並んで下さいと店員さんに言われ、前の方について並びました。
 やっと階段を上ってきた参加者に、西先生が皆息きれてるねとの声。あ、聞いちゃったよ、西炯子の声だよ、というような言葉が頭に浮かびます。

 途中、シーンとして西先生を見つめていたせいか、「何かBGMかけられないの」という先生の言葉もありました。忙しく準備されていたのであろう店員さんは、「できないことはないですが、今は物理的に無理です」との返事。それに対して「小噺でもしますか」と、西先生らしい言葉もありました。
イラスト展期間中は置いてあったテレビも、台の上に参加者に渡される同人誌や西炯子のインタビューの載っている「まんがの森」小冊子が積み上げられていた為か、どこかに撤去されていたようです。
 また、「三番町萩原屋の美人11」の表紙絵のポスターも参加者に配られました。

 順番に持参した単行本と整理券を店員に渡し、そこから西先生が受けとって、サインしてくださいました。
 西先生は1人1人に名前を書くから少し時間がかかりますので、と前置きして、整理券に書かれた名前を見ながら丁寧にサイン。
 単行本のカラーイラストのページに、「○○様 西炯子 '00.1.8」と黒のサインペンで書き、同時に配られた非売品のナンバー入り同人誌「西の屑」の表紙にも、その場でサインしてくださいました。
 栄養ドリンクの差し入れや、先生に許可を貰って写真をとっている方もいらっしゃいました。写真は今まで雑誌や単行本でも見たことがないので、かなり羨ましかったです。OKなのなら、自分も持ってくれば良かったと後悔。

 サインされている途中は、声をかけるわけにもいかず、終わって先生から手渡される時に一言、と思っていたのですが、色々準備していたはずの言葉もとっさに浮かばず、ご挨拶をした程度で、名残惜しかったですが、その場を後にしました。
 しばらくはにやけ顔がとまらなかったです。
 西炯子同人誌「西の屑」は、漫画ではなく短文エッセイというような内容でした。読みながら、これをあの方が書いているんだ、と思うと、意外でもあるし案外合っていそうな雰囲気もしました。

 あっという間に終わってしまいましたが、ほんわり幸せな気分に。これからも是非是非いい作品を描いていただきたいです。